DXライブラリをVisual Studio 2017 にセットアップする手順

今回はプログラミング言語 C++ でゲームを開発するためのライブラリ、DXライブラリを Visual Studio 2017 にセットアップする手順を試してみました。

DXライブラリとは?

DXライブラリ(ディーエックス・ライブラリ)とは、山田巧がC++用に開発した、無料のパソコンゲーム開発用ライブラリである。広義にはゲームエンジンに分類される。DxLibとも表記される。
出典: Wikipedia

DXライブラリの使い方を確認

DXライブラリが公開されているWebサイトでは使い方が紹介されているのであらかじめ確認しておきます。
Visual Studio Community 2017 を使用した場合のDXライブラリの使い方

DXライブラリのセットアップの流れ

セットアップの流れはこのようになります。

  1. Visual Studio 2017 のセットアップ
  2. 新規プロジェクトの作成
  3. プロジェクトに新規プログラムファイルを追加
  4. DXライブラリを使用するためのプロジェクト設定
  5. テストプログラムで動作確認

Visual Studio Community 2017 を使用した場合のDXライブラリの使い方 では、文章だけの手順説明なので、図を加えて手順を確認してみました。

Visual Studio 2017 のセットアップ

Visual Studio 2017 のセットアップでは C++ によるデスクトップ開発のコンポーネントをインストールします。

DXライブラリのダウンロード

次にDXライブラリの公開されているWebサイトからVisual Studio 用のライブラリをダウンロードします。
DXライブラリ置き場 ダウンロードページ

ファイルを解凍するとこのようなファイル構成になっています。

新規プロジェクトの作成

Visual Studio 2017 を起動して新しいプロジェクトを作成します。メニュー:ファイル > 新規作成 > プロジェクト を選択。

[新しいプロジェクト]ウインドウ > インストール済み > Visual C++ > Windowsデスクトップ > Windows デスクトップ ウィザード を選択。

プロジェクト名と場所を入力。[ソリューションのディレクトリを作成]のチェックを外して[OK]ボタンをクリック。

[Windows デスクトップ プロジェクト]ダイアログが表示されるので[アプリケーションの種類] > [Windows アプリケーション]に変更。追加のオプション > [空のプロジェクト]にチェックを入れて[OK]ボタンをクリック。

これでプロジェクトの作成手順は完了しました。

プロジェクトに新規プログラムファイルを追加

作成したプロジェクトに新しいファイルを追加します。メニュー:プロジェクト > 新しい項目の追加 を選択。

[新しい項目の追加]ウィンドウ > インストール済み > VisualC++ > C++ファイル(.cpp) を選択。

ファイル名[DrawPixel]と入力。[OK]ボタンをクリック。

DXライブラリを使用するためのプロジェクト設定

ここから、作成したプロジェクトでDXライブラリが使用できるようにするための設定を行います。あらかじめダウンロードしたDXライブラリを解凍し、Cドライブに移動しておきます。

全般

メニュー:プロジェクト > プロジェクト名(ここではTestProject)のプロパティ を選択。

[プロジェクト名(ここではTestProject)プロパティページ]ウィンドウが開いたら、構成(C): > [すべての構成]に変更。構成プロパティ > 全般 > 文字セット > [マルチバイト文字セットを使用する]に変更。

DXライブラリの配置パス設定

構成プロパティ > C/C++ > 全般 > 追加のインクルードディレクトリ > DXライブラリの配置パスを入力(ここではc:\DxLib_VC\プロジェクトに追加すべきファイル_VC用)

構成プロパティ > リンカー > 全般 > 追加のインクルードディレクトリ > DXライブラリの配置パスを入力(ここではc:\DxLib_VC\プロジェクトに追加すべきファイル_VC用)

DXライブラリの配置パスの設定はこれで完了です。ウィンドウ左上の構成: > [Release]に変更します。ダイアログ[プロパティページへの変更を保存しますか?]ウィンドウが表示されたら[はい]をクリックします。または、ウィンドウ右下の[適用]ボタンをクリックします。

コード生成の設定

次にコード生成の設定です。ウィンドウ左上の構成: > [Release]になっていることを確認し、構成プロパティ > C/C++ > コード生成 > ランタイム ライブラリ > マルチスレッド(/MT) に変更します。

ウィンドウ左上の構成: > [Debug]に変更します。ダイアログ[プロパティページへの変更を保存しますか?]ウィンドウが表示されたら[はい]をクリックします。または、ウィンドウ右下の[適用]ボタンをクリックします。

ウィンドウ左上の構成: > [Debug]になっていることを確認し、構成プロパティ > C/C++ > コード生成 > ランタイム ライブラリ > マルチスレッド デバッグ(/MTd) に変更します。

これですべての設定が完了しました。ウィンドウ右下の[OK]ボタンをクリックして[プロパティページ]ウィンドウを閉じます。

テストプログラムで動作確認

先に作成したプログラムファイル DrawPixel にテストコードを書いて実行します。Visual Studio Community 2017 を使用した場合のDXライブラリの使い方 に掲載されているテストコードをコピー&ペーストします。

ウィンドウ上部の[ローカル Windows デバッガー]をクリックして実行します。

掲載されているコードをウィンドウ表示に変更して実行したものが下記のようになります。画面中央に白いドットが表示されるとOKです。

このテストコードを少し改造してみました。画面中央に青色の正方形を表示し、ウィンドウ表示で実行、Escキーで終了するようにしてみました。

#include "DxLib.h"

// プログラムは WinMain から始まります
int WINAPI WinMain(HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow)
{
	// 画面モードの設定
	SetGraphMode(640, 360, 32);
	// ウィンドウモードに設定
	ChangeWindowMode(TRUE);
	// DXライブラリ初期化処理
	if (DxLib_Init() == -1)
	{
		// エラーが起きたら直ちに終了
		return -1;
	}
	// 四角形を描画
	DrawBox(256, 116, 383, 243, GetColor(0, 0, 255), TRUE);

	// 文字列の描画
	DrawString(240, 300 - 32, "Escキーで終了します", GetColor(255, 255, 255));

	// Escキーの入力待ち
	while (CheckHitKey(KEY_INPUT_ESCAPE) == 0)
	{
		// メッセージ処理
		if (ProcessMessage() == -1)
		{
			// エラーが発生したらループを抜ける
			break;
		}
	}
	// DXライブラリ使用の終了処理
	DxLib_End();
	// ソフトの終了
	return 0;
}

実行結果はこのようになりました。

これで Visual Studio 2017 にDXライブラリのセットアップが完了しました。